「孤高の相貌」を読んで

「デフ・ヴォイス」のスピンオフ小説を読んでみた。

 

手話を学んでいる流れで勧めらて読んで「デフ・ヴォイス」はろう文化のみならず多くの知識を得ることができた。それだけでなく、ストーリーも大変楽しめた。

そして、その中で何森刑事たる人物を秘密めいた表現で描かれ、思惑通り導かれてしまった。

 

設定上「デフ・ヴォイス」主人公である荒井より刑事であるその妻みゆきの登場が多いが、それも気持ちよく楽しめた。

読み終えてしっかりとミステリーとして楽しめる事ができた。

だが、それ以上に今回も私にとっての大変な気づきを頂いた。

犯人と認否された者が「供述弱者」という表現。読み進むうちに私自身と重なっていった。

まさしく私も人生の岐路に立たされた時、これによって逃げて来た感がある。トラブルを避けたいが為、自身が悪者とされても、その場面を避けてきた。それで相手が幸せになれるのであれば、みたいな。

それとは違うのかもしれないが、パワハラを受けた時もそうたった。責められ続けているうちに、こんな罵倒を受けるのは私自身が悪いの原因なのか?そう思い込む時があった。私がパワハラのターゲットになる以前にターゲットにされ鬱になり職を辞された方も同じ事を言われてた。その前後パワハラを受けて辞めた人は皆人望の厚い方々だった。なのに。

 

誰でも何らかの部分で登場人物に自分が重なることはあるのかも知れない。

というわけで今回も楽しませていただいた。

 

次は同じくスピンオフ小説刑事何森「逃走の行先」という著書を読もうと思う。